2014年3月17日月曜日

藤巻幸大 福助再建への挑戦

再生の仕事は半端ではなかった。それこそ、過労で歯が抜けましたから。破綻した企業というのは、やっぱり『壊れている』んです。社員はやる気がないし、商品にも力がない。これじゃダメだと思いました。

まずは直接、思いを伝えようと300人の社員全員と面接しました。 あとは、大胆さが必要だと思っていました。福助は本社を東京に移し、新しいブランドを作りましたが、僕はその程度じゃ不十分だと思っていました。

例えばコストダウンなら50%のコストダウンを要求した。10%程度じゃ、これまでの仕事の延長で考えてしまいますからね。それじゃダメなんですよ。意識と発想を今までとは大きく変えないといけない。

10人でやっていた仕事は、3人でやれと命じる。もちろん、できません、と来る。でもやらせるんです。さすがに3人ではできなくても、5人でやる仕組みを考えるようになる。これで50%減。

もちろん、やらせっ放しじゃないですよ。睡眠3時間で僕も現場に張り付いて一人ひとりを見ていった。再建なんて口で言うのは簡単ですけど、死ぬ気でやらなきゃうまくいかないんです。だって、妥協はできないんだから。

大事なことは、高い志です。うまくいったときの、最高の姿をイメージする。再生成功なんかじゃない。僕は『福助を世界ブランドにする』。そう言っていました。だから、広い視野で物事が考えられるようになるんです。

志を高く、具体的にイメージできるようになる。そこに人や組織や数字を付けていくことで再生が実現する。気力が萎えそうになることもありました。そういうときは、とことん遊ぶ。徹底的に発散する。中途半端に遊ぶからダメ。それで翌日から、また切り替えるんです。

福助再生!  ダイヤモンド社