2013年3月21日木曜日

大学受験資格にTOEFL

大学受験資格にTOEFL
国内全大学対象 自民教育再生本部 1次報告へ
2013/3/21

 自民党の教育再生実行本部(遠藤利明本部長)が国内全ての大学の入学試験を受ける基準として、「TOEFL」を活用する方針を固めた。

 対象は、全ての国公立大学と私立大学。大学の学部ごとに点数基準を定め、クリアした者に受験を認める。たとえば、東京大学文科一類(主に法学部に進学)の受験資格は「TOEFL○○点以上を獲得した者」と定め、公表する。点数基準は各大学に自由に定めさせる。TOEFLは英語圏の大半の大学で留学志願者の英語能力証明として使われており、留学の活発化を通じて国際社会に通用する人材を育成する狙いがある。

この仕組みの良い所は、TOEFLが受験の資格条件となるところ。この仕組みだと、希望学部を受験する以前にTOEFLが前提条件となる為、波及効果が非常に高い。

 TOEFLの導入は、実行本部が、安倍政権の大学入試改革の目玉に位置づける施策の一つ。英文読解を中心とした現在の高校の英語教育のスタイルを一変させる可能性もある。このため、教育現場に混乱を来さないよう平成30年度ごろからの導入を想定している。

TOEFLには、Speakingと言う出題形式があり、只単語を丸暗記するだけでは高得点が望めない。逆を言うと、高校生の時から、会話能力を高める必要があり、今までの「義務教育ではしゃべれない」と言う状況を確実に改善する事ができる。

 日本では英語能力試験としてTOEFLのほか、受験者が最も多い「実用英語技能検定(英検)」や、英語によるコミュニケーション能力を測る「TOEIC」などが実施されている。実行本部は、結果がそのまま海外留学の申請に転用できるTOEFLを採用することにした。

TOEICは、比較的難易度が低い為に、Academicな英語力を測るのには不向き。
英検は、非常に良く出来たテストだが、合否判定がある為、例えば準1級になかなか合格できない人は、学習量にもよるが、長期に渡り合格できない場合もある。モチベーションを保つのが大変。
TOEFLの場合は、120 points中、何点を取れるかを測定する為に、合否を問うものではない。従って、希望する大学の希望学科が求めるラインが90 pointsであったとして、自分のポイントが80 pointsであった場合に、80 pointsで合格できる大学と学部を受験する事も可能。更に、海外の大学で使用される教科書から抜粋した文章が出題されるので、留学する人には実践力を養うことができる。

TOEFLは、東京大学大学院の大半の研究科で入試の際に成績の提出を義務付けられている。また、政府は15日の産業競争力会議で、平成27年度から「キャリア」と呼ばれる国家公務員総合職の採用試験にTOEFLを導入する方針を打ち出している。

 実行本部では、英語で意思疎通できない日本人が多いことを問題視する議論が出ている。2月の会合では楽天の三木谷浩史社長兼会長が「英語ができないため日本企業が内向きになる」と述べ、大学入試へのTOEFL導入を提案していた。

高校時代から、TOEFLの教材を取り入れて学習をすれば良い訳で、大学受験のハードルが極端に高くなるわけではない。