2013年4月19日金曜日

イノベーションに関する緊急提言



 新経済連盟の三木谷浩史代表理事は4月17日、甘利明経済財政・再生相と会談し、新経済連盟が16日に開いた「新経済サミット2013」をもとにした提言書「イノベーションに関する緊急提言」を提出した。

 提言書には、ベンチャー投資の活性化を促す税制改革や新産業創出のための規制緩和などを盛り込んだ。

 これは、アベノミクスで言う、第3の矢にあたるだろう。

 甘利氏からは「大変いい提案だ」との反応があった様だ。

 新経済連盟による具体的な提言内容は、

①イノベーション振興に関する国家方針の確立と起業文化の醸成
②ベンチャー投資を促す税制改革
③グローバルかつイノベイティブな人材育成
④徹底的な規制改革

4つ。

 ここで、更に強調してほしかったのが、農業政策。規制改革に含まれるのかもしれないが、日本は新規産業の促進だけでは成長しないのは明らか。

 人材育成について新経済連盟では、イノベイティブなだけでなくグローバルであることを強く主張している。
 具体的には大学入試と公務員試験へのTOEFL導入、小学校での英語教育強化などが盛り込まれている。また教育課程にプログラミング、マーケティング、ファイナンスなどの科目を導入することも提言。規制緩和については、対面・書面交付原則の撤廃、発送電分離、規制改革会議による事前勧告制度の構築などが盛り込まれた。

 プログラミング、マーケッティング、ファイナンスを科目として導入すると言う政策は、80年代のアメリカに類似する。80年代のアメリカでは、専門学校や短期大学で、プログラミング、マーケッティング、金融等の単一科目に重点を置いたと言う経緯があるが、多くの単科大学は消滅した。

 これらの学校は、職業訓練の延長線とも捉える事ができる。然し、単一科目の普及には限界があり、抜本的に教育制度を見直す事が、次世代の人材育成に繋がる。

 新経済連盟の提言内容の多くが、従来型のベンチャー振興策の延長であることを考えると、この提言によって状況が大きく変化するとはない。

 ただ、提言の中には、「お金がかからずに実現できる」ものが多い。

 TOEFL導入に反対意見は多いが、行政側としては、経費を抑えて導入できて、更に多大な効果が見込まれる。