2011年5月15日日曜日
英会話習得に必要な時間
英会話能力習得には、個人差がありますので、一概に「上達する迄の期間」を述べる事は難しいと思います。従って、以下に幾つかの例を紹介します。
幼児
乳児の場合、個人差がありますが、早ければ約1歳で簡単な単語を発話できる様になります。大雑把に言うと、2歳~2歳半で単語を発話できる様になりますので、ここでは2歳半を例に説明します。
乳児にお母さんは、1日6~8回授乳します。授乳の度に「ミルクよ。あ~んして。」等と声を掛けます。これは、
8回×365日×2.5年=7,300回
となり、7,300回同じ言葉を聞き続けると「ミルク」等と発話できる様になると言えます。
お母さんが子供に、1日に6~8時間話し続けると言う情況は少ないと思いますので、小さなお子様の場合は回数が重要です。
全く言語能力が発達していない状態から、同じ言葉を7,300回聞き続けると、その言葉を発話できる様になると言い表す事ができます。
これは、年齢が大きくなる程に、回数を少なくする事が可能です。それは、年齢と共に、「言葉の組み合わせ方を考える」思考能力が発達するからです。
小学6年生以下
帰国子女と言われる子供達を例に取ります。
海外経験が約2年で、現地校の授業に付いて行ける様になります。但し、教科によってはNative Speakerより良い成績を修めることが出来る様になるには、約3年が必要です。
1年を230日(休みを除いた日数)で計算すると、
6時間(学校にいる時間)×230日×3年=4,140時間
となります。
ある程度、教科の内容は分らなくても、回りの友達と交流できるレベルの場合、
6時間×230日×1.5年=2,070時間
となります。
では、語学学校で英語を一から学習するとどうでしょう。
1時間レッスンで計算します。
1時間×42レッスン(春夏秋冬の休みとゴールデンウィークを除いた回数)=42時間
2,070÷42=49.28年
の期間が必要になってしまいます。
これを克服する為に、教授法と言う物があり、単語はphonicsで文字と音が関連する単語をグループ化して覚える、文章はスパイラルメソッドと言って、文章を段階的に組み立てる練習をします。(詳細は過去のブログをご覧ください。)
この教授法を使うと、
入門→初級→中級→準上級→上級→研究1→研究2→研究3 1レベルが各半年で、4年間学習すると、海外の小学校低学年生程度の会話力が身に付きます。
(1時間×42時間+(2時間の自宅学習×52週))×4年=584時間
となり、これは英検3級程度の英語力だと言い表す事もできます。
更に、中学校まで学習を続けると、
1.25時間(中学生英会話科)×42週+(3時間の自宅学習×52週)×3年+584(小学生で学習した時間)=1209.5時間
ここまで学習を続けると、英検で言うと2級位、高校留学をしても、約1年で教科を十分に理解できる様になります。
従って、語学学校を選ぶ際は、幼児から中学校まで継続学習ができる、レベルが充実している学校を選ぶ必要があります。
これが、1,000時間上達説の根拠です。
高校生
高校留学をした場合、最初の2年は、なかなか教科に付いて行けません。
やはり、3年目から授業内容をしっかりと把握する事が出来る様になります。
大学以降
大学から海外に留学した場合、
短大を卒業する頃には、少し授業内容が分かる様になります。
Sophomoreになると、殆ど英語には困らなくなります。
これは、小学生以下と同じ期間だと思われるかもしれませんが、全く違います。海外の大学では、1 semester に1冊300~500ページ位の教科書を5~6冊読まなければなりません。教科毎にレポート(20ページから50ページ位)の提出もあります。従って、計算式には当てはまりませんが、大雑把に言って、
(1日4時間程授業に出る×230日)+(自宅学習5時間×365日)=2,745/年
位の学習量がある訳です。従って、留学に勝る学習方法はありません。
企業で、外国人に英語を教えて、相手が納得するレベル
上記に加えて、企業経験を4-5年積むと、native speakerが間違った論理を展開しても、説得できる様になります。
以上英語が上達する迄の期間を記載しましたが、初心者にとっては、約1,000時間が一つの目安となります。