2013年12月28日土曜日

「海外へ留学する日本人学生を増やす、来日する外国人留学生を増やす」事が急務

海外へ留学する学生数

日本から海外へ留学する学生の数が減少傾向にある。一方、中国、インド、韓国では海外留学生が増加傾向にある。海外に留学する日本人の数は2004年の8.3万人をピークに減少傾向で、2010年には5.8万人と言うのが実情。

受け入れている外国人留学生も13.8万人と近隣経済諸国を見ても少ない。

日本人の英語力

日本人の英語力も、世界的にみて低い水準。アジアにおけるTOEFLスコアの国別ランキングでは、28位(69点)。
1位のシンガポール(99点)
2位インド(92点)
7位韓国(82点)
と比べても低い。

大学の国際化対応も遅れているため、大学の国際的な評価も低い。
世界の大学ランキングでは、
東京大学が23位
京都大学が52位
東工大が125位
と低位に留まっている。

今後の日本の成長のためには、世界で活躍できる若者をさらに増やしていくことが必要不可欠で、国家戦略として語学教育を行う必要性がある。

日本人の海外留学生

海外留学を倍増させるために政府、企業、高校、大学の協力が必要。

アジア各国で海外留学生数が増加傾向の中、日本の海外留学者数が減って来ていることは、日本の未来を考えると憂うるべき現実。政府は現在5.8万人の海外留学者数を12万人に倍増させる目標を立てている。

政府が直ぐにでもやれる事は、奨学金の予算措置。文部科学省では、150億円程度の予算措置を行い、民間企業などと協力して基金を設けて、大学生や高校生の海外留学に対する奨学金支援を拡大する。この基金の創設によって給付型奨学金の支給対象者を今の3倍強の約3万6000人に増やす計画。それでも、12万人には程遠い。

企業が、できることは多い。例えば、募集要項に、「留学経験者を優先的に採用する」と一言入れるだけでも留学者の促進に繋がる。また、採用活動を大学4年生の4月以降にずらすことで、3年生の時に海外留学に出られない弊害を除くことが出来る。

高校・大学も学生の海外留学を積極的に促進する必要がある。多くの高校では、海外留学した時に履修は単位として認定されない。従い、留学後に1年留年して、一つ下の学年にて再度学習することになる。こういうハードルがあると、高校の留学は進まない。だから、海外の高校の単位を認定する仕組みが必要。高校時代の留学が一番、精神的にも、文化的にも、英語的にも強い影響を与える。一年落ちるばかりか、高校生にとっては大学受験に不利になるために海外留学を躊躇するケースも多い。大学側が、大学受験で留学経験者を優先的に受け入れる体制を作ることも有効。これにはTOEFLや外国人教員による面接等を入試に取り入れる事で大分改善される。

大学も未だに留年しなければ留学できない大学が多く、慶應や早稲田でも、学部によっては海外留学における取得単位が卒業単位に算入できない。海外の学校との連携を強めて、海外留学における単位取得を卒業単位として認めることが早急に求められる。

企業・大学・高校が留学生を増やす努力をすることが肝要。

海外留学には、将来の為に人間関係を作ると言う働きもある。例えば、プリンストン大学に留学して、現地の大学生と交流する。同大学・大学院卒業生の多くが、FRB等政府機関で研究を行っている事を考慮すると、日本人が留学を通して、将来政府機関で働く可能性がある人達とパイプを構築できるチャンスである。

訪日外国人留学生を増やす努力も必要。

外国人留学生を積極的に受け入れることは、日本で活躍する優秀な外国人を増やし、日本経済を活性化させる。また、帰国した外国人留学生も母国における親日派知識層を形成し、海外における日本のプレゼンス向上にもつながる。外国人留学生の受け入れ拡大は、日本の国益を大きく高めるために有用であり、国家戦略として大いに進めるべき。現在これを積極的に行っているのが中国。

現在は、東日本大震災の影響もあって日本の外国人留学生の受入数は減少し、13.8万人。一方で近隣諸国では外国人留学生獲得競争が起きており、中国は現在32.8万人と海外留学生の受入数は日本の倍以上、それを2020年までに50万人とする目標を立てている。韓国も現在は6万人だが、2020年までに20万人を目標とする等、国を上げての誘致活動を行っている。

文部科学省が「外国人留学生30万人計画」で外国人留学生を2020年までに30万人にするという目標を掲げている。

目標実現のためには、英語の教員、英語による授業を増やし、英語だけで卒業できるカリキュラムを拡充するといった日本の大学の徹底した国際化、春・秋入学の導入による学事歴の解消が必要。更に、卒業も単位が取れ次第卒業できる様にする。海外では、4月が新年度とは限らないし、日本人学生にとっては、早く単位を取得して、4年生になったら短期留学する等柔軟な学生生活を設計できる。

今一番必要なのは、魅力あるカリキュラムで、即効性があるのが、海外の教授陣や研究チームを招聘すること。

大学の国際化

「世界大学ランキング」で、
東京大学が23位
京都大学が52位
など日本の大学のランクが低いことは大分衆知された。このランキングでは、「教育」「国際」「産学連携」「研究」「論文引用」の5つの項目で評価されるが、日本の大学が低評価であるのは「国際」の指標。例えば、今年のランキングにおけるinternational outlookの指標(100が最高値)では、
東京大学が29.6
京都大学が27.5
と極めて低い値。

慶應SFCでは、原則英語による授業のみで卒業できるカリキュラムがある。そういったカリキュラムを各大学でも増やすことが必要。そのためにも、日本の大学において、優秀な外国人教員を積極的に採用するとともに、日本人教員の英語力を向上させ、英語による授業を圧倒的に増やすことが必要。

海外大学との連携も強化していく必要もある。海外大学との共同プログラムによるジョイントディグリーに加えて、アメリカなどのトップクラスの大学のカリキュラムや教員等の教育ユニットを日本の大学へ誘致するような方策も検討するべきだ。

海外留学の阻害要因としては、経済的負担や語学力の低さに加えて、学事歴のミスマッチが挙げられている。世界的には秋入学がスタンダードである中で、日本の大学が春入学のみであることが問題。これは日本から海外への留学の阻害要因であり、留学生の受入にもマイナス。

意欲のある学生が、学事歴の違いで就職等に支障を来すために留学を諦めるのは日本にとって大変に残念な事。日本の大学は海外との学事歴のミスマッチ解消のため、春入学に加えて秋入学を本格導入し、学生の選択によって春・秋どちらでも入学・卒業可能とすべき。更に、可能なら、就職活動も学事暦に左右されない仕組みを作れば、外国人留学生が日本で就職する選択をし易くなる。

大学受験の英語試験をTOEFLに

TOEFLは、読解・リスニング・スピーキング・筆記で構成されたバランスの良いテスト。高校生からTOEFLの問題を取り入れた英語学習をする事で、日本人学生が留学と言う選択をしやすくなる。IELTSを好む人も多いが、2つの試験が入り乱れるよりは、統一した方が運用しやすい。

現在の大学入試における英語試験は文法や訳読に偏っており、実践的な英語力を測定する試験にはなっていない。また、いくら高校までの英語教育を実践的な英語教育に変えても、生徒の最大の関心となる大学入試で従来の文法・訳読型の受験英語が残ったままでは英語学習は変わらない。

大学入試の英語試験にTOEFLを活用し、英語の選考をTOEFLのスコアに変更すれば、実用的な英語の習得を生徒が目指すようになる。生徒は年に何度も試験を受験することができ、一発勝負と言われる大学受験の弊害も是正することができるはずだ。

大学にとっては試験開発、試験運営のコストも削減できる。

国内の受験者数は年間約 60 万人であり、大学入試へのTOEFLの活用には試験会場や採点体制などの運営上の課題もあるが、英検方式の様な仕組みは実証済みで、TOEFLの運用にも当てはまるのではないか。


アベノミクスの第3の矢、ここに教育政策を大きく取り入れると、直ぐには結果がでなくとも、将来の人材を増やす事に直結する。

2013年11月2日土曜日

TOEFL® 導入に抵抗感が大きい日本

TOEFL® 導入に抵抗感が大きい日本

日経新聞によると、政府は2015年度の国家公務員試験・総合職試験から英語能力テスト「TOEFL」等を使う方針を決めた。受験社会の日本では、TOEFL対策の塾や教材が増えるだろうが、受験の様に簡単には対策ができない。それは、TOEFLでは、SpeakingとWritingのセクションがあり、特にSpeakingに関しては、「会話ができない英語教師(講師)」では、難易度が高いからだ。

大阪府教育委員会はこれより先に府立高校入試にTOEFL、IELTS、英検など外部の英語検定試験を活用する方針を決定している。これも良い傾向だと思うが、試験を1種類に絞った方が良い。大雑把に言って、TOEFLは、アメリカやカナダの大学、大学院に入学する際に要求される場合が多い。IELTSは、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドに留学する際に考慮する学校が多い。英検は、日本国内向けのテスト。多くのアメリカの大学で、英検を留学資格として認めるようになってきたが、それでも2次面接の試験管が日本人で、「帰国子女には、日本英語が聞き取れない」等の問題がある。

筆者は、TOEFLに絞った方が良いと思うが、いずれにしても、語学を一番早く上達させる方法は、海外に在住する事。小学校低学年生で、親の仕事の都合で海外に在住し、現地の小学校やInternational Schoolに通う児童の場合、ほぼネイティブレベルの英語を習得するには、2年~2年半の期間が必要。国内で学習すると、約6年間学習しても、ネイティブレベルの英語力を習得する事が難しいのに比べて、僅か2年で習得できる。勿論、年齢が低い子供たちは柔軟性がある事にも起因するが、一番の理由は、教える側がネイティブであると言う点。

やはり、日本人が英語力を上達させる為には、ネイティブから習える環境を整備する必要がある。日本の義務教育で、ネイティブから学ぶ機会を増やせないのであれば、やはり留学は効果的。ネイティブから習うという環境に加えて、文化的背景を理解できるのが一番の恩恵となるであろう。

それでは、アメリカに留学するのか、イギリスに留学するのかだが、今やCNNよりBBCの方がグローバルになっている。日本でTOEFLを重視したがるのは、米国英語の試験だからでだが、実は現在は語学業界、出版業界では、International Englishというカテゴリーがある。Oxford University Press等では、カタログに、British/American/International等の表示がある。アメリカ人とイギリス人が英語で意思の疎通ができる様に、Academic Englishを習得して、両方の国で出版された文献を学習する事で、ある程度アメリカ英語もイギリス英語も使い分けられる様になる。従って、留学先は自分の目標や考え方によって、国や学校を選べば良い。

それにしても日本人のTOEFLスコアはひどい。2012年統計をみると、日本語を母国語にする受験生のスコアは120満点中70点。ソマリ語を母国語にする受験生と並んで世界101位。1位は、シンガポール、2位はインド、3位はマレーシア、4位が韓国、5位が香港。 インドや香港は、イギリス統治の歴史があるから当然とも言えるが、韓国が4位とはすごい。さすがに、韓国の努力を認めないわけにはいかない。(TOEFLスコアの国別ランキング/我が国の英語力の現状等を参考に検討)

アジア30カ国の中では27位で、下を見ればカンボジアとモンゴルだけ。TOEFL受験生に限れば、北朝鮮の方が日本より英語力が上。惨憺たる状況を生み出した背景には、英語を話すことができない教師が英語を教えている日本の英語教育の悲劇的な欠陥が背景にある。だからこそ、TOEFL導入を批判するのではなく、英語教育向上のきっかけにする事が必要だ。

英国の大学でつくるユニバーシティーズUKが記者会見し、海外メディアに留学を呼びかけた。英国で学ぶ日本の留学生は欧州連合域外からの留学生国別ランキングで10位にも入っていない。2011~12年の留学生は中国がトップで7万8715人。2位はインドで2万9900人。日本は3245人だけ。アメリカへの留学もかなり減少していると言う。

イギリスへの留学生は、EU域外全体では22万3855人から30万2680人に35%も増えたのに対し、日本人留学生は6200人から3245人に48%も減っている。

これは、日本がデフレであった事も原因だろうが、規制改革や経済成長には、グローバルな人材が必要なので、教育を充実させないと、日本の将来は開けない。日本が長い間「世界第2の経済大国」という言葉に酔いしれ、大学教育のグローバル化に対応してこなかったことが鮮明に浮かび上がってくる。

国内の大学に進学するのにも学生が数百万円もの奨学金を受けなければならなくなっているのが現状で、留学にはもっと費用が掛かる。日本の経済力では一般家庭から海外に留学生を送り出すのは難しくなっている。だが、海外経験のない人材では、今後日本がTPP等国際競争に晒されたときに到底勝てない。留学は、国策的な理解がないと現状ではかなりハードルが高い。

経済協力開発機構(OECD)のデータから参考に作成された資料では、日本の大学教育に対する公的支出は先進国の中では一番低い。フィンランドやフランスがかなり手厚い。大学を卒業した時点で「借金漬け」というのは日本の大学行政がどこか間違っているのではないだろうか。

やはり、日本の大学は、海外の知識人が、「働きたい」と思える環境を作る必要がある。

2013年5月6日月曜日

TOEFLは、高校生にとって難しすぎるのか。そんな事は「導入を阻止する為」の言い訳


某大学の教授が、学校教育だけで英語が話せるようになるというのは幻想だと言う。東大入試や英検1級を超える場合もあるTOEFLの要求水準に、学校教育だけでもっていくのは困難で「『体育の授業の目標を国体出場レベルにしよう』といっているようなもの」という。そればかりか、英語嫌いを増やす危険性もある。むしろ、英語が将来必要になったときに自分で学んで伸びられるよう、基本的な文法や音声、語彙などの土台づくりに目的を置くべきとの見方を示した。

本当にそうだろうか。

勿論TOEFLは、英語圏の大学に入学する際に必要な英語力を確認する事が目的。だから、大学で使用される教科書から抜粋した文章が出題される。但し、全てが難しい訳ではなく、高校生であっても、効果的な学習を行えば多くの質問に答えることができる。

TOEFLには、合否がなく、iBTの場合は、120points中、何ポイントを取得できるかを判定するもの。従って、110/120は難しかったとしても、大学入学に必要なポイントを適正に設定すれば、高校生であっても、「国体レベル」と言う程難解ではない。

例えば、早稲田大学では、1年生で英語クラスのレベル分けにTOEFLを採用している。要するに、高校3年生にTOEFLを出題する訳だが、学生が回答に際し、極端に苦慮していると言う話しはあまり聞かない。

TOEFLの導入に反対する教育者は、自らTOEFLを受験した事があるのだろうかと疑問を感ぜずにはいられない。

以下に一例として、Listeningの問題を紹介しよう。

CONVERSATION TRANSCRIPT

(Narrator)  Listen to a conversation between a student and her basketball coach and then answer the questions.

(Male coach)  Hi, Elizabeth.

(Female student)  Hey, Coach.  I just thought I’d stop by to see what I missed while I was gone.

(Male coach)  Well, we’ve been working real hard on our plan for the next game . . . I’ve asked Susan to go over it with you before practice this afternoon, so you’ll know what we’re doing.

(Female student)  Okay.

(Male coach)  By the way, how did your brother’s wedding go?
ところで、貴方のお兄さんの結婚式はどうだったの。

(Female student)  Oh, it was beautiful.  And the whole family was there.  I saw aunts and uncles and cousins I hadn’t seen in years.
ええ、素晴らしかった。親戚全員があつまったの。何年もあっていなかった、叔母さん、叔父さん、そして従兄弟にも会えたの。

(Male coach)  So it was worth the trip.

(Female student)  Oh definitely.  I’m sorry I had to miss practice, though. I feel bad about that.

(Male coach)  Family’s very important.

(Female student) Y ep. Okay, I guess I’ll see you this afternoon at practice, then.

(Male coach)  Just a minute.  There are a couple of other things I need to tell you.

(Female student)  Oh, okay.

(Male coach) Uh . . . First, everybody’s getting a new team jacket.

(Female student)  Wow.  How did that happen?

(Male coach)  A woman who played here about 20, 25 years ago came through town a few weeks ago and saw a game, and said she wanted to do something for the team, so . . .

(Female student)  So she’s buying us new jackets?

(Male coach)  Yep.

(Female student)  Wow, that’s really nice of her.

(Male coach)  Yes, it is.  It’s great that former players still care so much about our school and our basketball program . . . Anyway you need to fill out an order form.  I’ll give it to you now, and you can bring it back this afternoon.  I’ve got the forms from the other players, so as soon as I get yours we can order.  Maybe we’ll have the jackets by the next game.

(Female student)  OK.

(Male coach)  Great.  And the next thing is, you know Mary’s transferring to another college next week, so we’ll need someone to take over her role as captain for the second half of the season.  And the other players unanimously picked you to take over as captain when Mary leaves.

(Female student)  Wow.  I saw everybody this morning, and nobody said a word.

(Male coach)  They wanted me to tell you.  So, do you accept?

(Female student)  Of course!  But Susan’s a much better player than I am. I’m really surprised they didn’t pick her.

(Male coach)  They think you’re the right one.  You’ll have to ask them their thoughts.

(Female student)  Okay . . . I guess one of the first things I’ll have to do as captain is make sure we get a thank-you card out to the lady who’s buying us the jackets.

(Male coach)  Good idea.  I have her address here somewhere.

(Female student)  And I’ll make sure the whole team signs it.

(Male coach)  Good.  That’s all the news there is. I think that’s it for now.  Oh, let me get you that order form.



1.  What are the speakers mainly discussing?

         a.  How the woman should prepare for the next game

1つの話題について話した訳ではない。

         b.  The woman’s responsibilities as team captain

1つの話題について話した訳ではない。

     c.  Things that happened while the woman was away

幾つかの話題について話したので、Cが正解。

     d.   The style of the new team uniforms

1つの話題について話した訳ではない。


2.  Who is buying new jackets for the team?

         a.  The coach

         b.  The captain of the team

         c.  A former player

         d.  A group of basketball fans


3.  There are two answers for the next question. Mark two answers.

     Why is the woman surprised to learn that she has been chosen as the new team
     captain?

         a.  She is not the best player on the team.

         b.  Her teammates did not tell her about the decision.

         c.  She does not have many friends on the team.

         d.  She has missed a lot of practices.

4.  Read part of the conversation again.  Then answer the question.

    (Female student) I’m sorry I had to miss practice, though. I feel bad about that.

    (Male coach) Family’s very important.

    What does the man mean when he says:  “Family’s very important.”

         a.  He hopes the woman’s family is doing well.

         b.  He would like to meet the woman’s family.

         c.  The woman should spend more time with her family.

         d.  The woman had a good reason for missing practice.


5.  Why does the coach say:  “Good. That’s all the news there is. I think that’s it for
      now.”

         a.  He wants to know if the woman understood his point.

         b.  He wants the woman to act immediately.

         c.  He is preparing to change the topic.

         d.  He is ready to end the conversation.


上記の日本語訳を記載したセクションを見てみましょう。

(Male coach)  By the way, how did your brother’s wedding go?
ところで、貴方のお兄さんの結婚式はどうだったの。

(Female student)  Oh, it was beautiful.  And the whole family was there.  I saw aunts and uncles and cousins I hadn’t seen in years.
ええ、素晴らしかった。親戚全員があつまったの。何年もあっていなかた、叔母さん、叔父さん、そして従兄弟にも会えたの。

この程度の会話を本当に高校3年生までに教える事ができないのでしょうか。若しそうだとしたら、日本の英語教師は、教える力が全く無いと言えるでしょう。

読解問題の場合には、比較的難易度の高い、専門文章が出題されますが、それでも、長文を短い文章に分けて説明する事で、高校生でも十分に理解できます。

私の経験では高校生でも、TOEFL100points近くを取得する学習者は珍しくありません。

TOEFLは、高校生には無理と言う発想は、ある意味教える事を放棄した教師の姿勢を表していると言えるでしょう。

2013年5月2日木曜日

Assistant Language Teacher=外国語指導助手で、日本の英語教育は発展しない


英語教育について、自民党の日本経済再生本部がまとめる中間提言の素案によれば、グローバル人材養成のため、英語を母国語とする外国人教師を今後3年以内に現在の2倍に増やし、10年以内にすべての小中高に派遣するよう提案。

これでは、英語を母国語とする教師は集まらない。

以前、イギリス人教師1500人を日本に招いたことがある。その資格は、ALT(Assistant Language Teacher=外国語指導助手)で、日本人英語教師の助手と言う位置づけだった。

当時日本人英語教師がALTに対して高圧的な態度をとる、自分が英語をできないことがバレないように、生徒のいる前で、日本人英語教師がALTと一緒に教えない等の隠れた問題があった。

結局、イギリス人教師は1年半ほどで、「あまりにも馬鹿にしている」と怒って帰ってしまった。

英語教師を集めたいのなら、母国語が英語の国で「国語教師」の免許を持っている人は自動的に日本で正規の英語教師として教えられるようにしないと、良い教師が定着しない。母国で一生懸命勉強して、教員資格を取っても、日本ではアシスタントにしかなれないのでは、良い人材が集まる訳がない。

環太平洋経済連携協定(TPP)で課題となっている国家資格の相互認証。欧州連合(EU)ではすでに国を越えて職業免許が有効になっている。英語はもともと外国語なのだから、免許を持っているネイティブから習う方が、無資格のALTから習うより、質が向上するのは明らか。

ところが、日本教職員組合(日教組)が許さない。日教組としては、中高で6万人いる英語教師の雇用を最優先にしたい。だから、あくまでも外国人教師をALT(助手)としてしか認めない。

今回の提言では、母国で国語教師の免許がなくとも、母国語が英語であれば誰でもALTになれるとしている。しかし、外国語学校を長年経営している経験から、只英語が話せるだけでは、効果的な授業は行えない。ALTに応募するネイティブに、英検1級の単語問題を出題すると、問題数の半分以上が不正解と言うのは珍しくない。

教職員組合がどうしても抵抗するというのなら、文法と読解、和文英訳、英文和訳は、日本人英語教師が教える。Aural Communicationは、母国で国語教師の免許を取得している外国人教師が正規の教師として教えると言う事もできるだろう。

かつては日本の給料が安く、外国から教師を招聘するにはコストがかかったが、いまでは日本人の教師を雇う金額で来てくれるネイティブが大勢いる。

今回の提言は生徒の方を向いたものではなく、日教組や教職員の方を向いたもの。自分たちが教えてきた日本人の英語力が世界で最低レベルだという反省が全くない事が問題。

外国人教師を正規の英語教師として受け入れて、日本の国家的リスクとなっているコミュニケーション能力の不足を是正する。グローバル人材の育成に不可欠な政策ではないだろうか。

子供たちの英語力を鍛えるには、優秀な外国人教師を教室に迎えることが不可欠。そうすれば、TOEFLを大学入試の前提としても、然程高いハードルにはならない。

勿論、教員採用の際は、教員資格だけではなく、人格を考慮し、日本文化に興味を示してくれる人を優先したい。

2013年4月19日金曜日

イノベーションに関する緊急提言



 新経済連盟の三木谷浩史代表理事は4月17日、甘利明経済財政・再生相と会談し、新経済連盟が16日に開いた「新経済サミット2013」をもとにした提言書「イノベーションに関する緊急提言」を提出した。

 提言書には、ベンチャー投資の活性化を促す税制改革や新産業創出のための規制緩和などを盛り込んだ。

 これは、アベノミクスで言う、第3の矢にあたるだろう。

 甘利氏からは「大変いい提案だ」との反応があった様だ。

 新経済連盟による具体的な提言内容は、

①イノベーション振興に関する国家方針の確立と起業文化の醸成
②ベンチャー投資を促す税制改革
③グローバルかつイノベイティブな人材育成
④徹底的な規制改革

4つ。

 ここで、更に強調してほしかったのが、農業政策。規制改革に含まれるのかもしれないが、日本は新規産業の促進だけでは成長しないのは明らか。

 人材育成について新経済連盟では、イノベイティブなだけでなくグローバルであることを強く主張している。
 具体的には大学入試と公務員試験へのTOEFL導入、小学校での英語教育強化などが盛り込まれている。また教育課程にプログラミング、マーケティング、ファイナンスなどの科目を導入することも提言。規制緩和については、対面・書面交付原則の撤廃、発送電分離、規制改革会議による事前勧告制度の構築などが盛り込まれた。

 プログラミング、マーケッティング、ファイナンスを科目として導入すると言う政策は、80年代のアメリカに類似する。80年代のアメリカでは、専門学校や短期大学で、プログラミング、マーケッティング、金融等の単一科目に重点を置いたと言う経緯があるが、多くの単科大学は消滅した。

 これらの学校は、職業訓練の延長線とも捉える事ができる。然し、単一科目の普及には限界があり、抜本的に教育制度を見直す事が、次世代の人材育成に繋がる。

 新経済連盟の提言内容の多くが、従来型のベンチャー振興策の延長であることを考えると、この提言によって状況が大きく変化するとはない。

 ただ、提言の中には、「お金がかからずに実現できる」ものが多い。

 TOEFL導入に反対意見は多いが、行政側としては、経費を抑えて導入できて、更に多大な効果が見込まれる。

2013年4月15日月曜日

University ranking focusing on Asia


Times Higher Education has published its first university ranking focusing on Asia.

On the top-100 ranking released last week, Japan had the most institutions (22), followed by Taiwan (17), mainland China (15) and South Korea (14).

The top 10 individual schools were
The University of Tokyo
National University of Singapore
University of Hong Kong
Peking University
Pohang University of Science and Technology in South Korea
Tsinghua University in Beijing
Kyoto University
Seoul National University
Hong Kong University of Science and Technology and the Korea Advanced Institute of Science and Technology

Universities in fast growing Asian countries are very much competitive.

2013年3月21日木曜日

大学受験資格にTOEFL

大学受験資格にTOEFL
国内全大学対象 自民教育再生本部 1次報告へ
2013/3/21

 自民党の教育再生実行本部(遠藤利明本部長)が国内全ての大学の入学試験を受ける基準として、「TOEFL」を活用する方針を固めた。

 対象は、全ての国公立大学と私立大学。大学の学部ごとに点数基準を定め、クリアした者に受験を認める。たとえば、東京大学文科一類(主に法学部に進学)の受験資格は「TOEFL○○点以上を獲得した者」と定め、公表する。点数基準は各大学に自由に定めさせる。TOEFLは英語圏の大半の大学で留学志願者の英語能力証明として使われており、留学の活発化を通じて国際社会に通用する人材を育成する狙いがある。

この仕組みの良い所は、TOEFLが受験の資格条件となるところ。この仕組みだと、希望学部を受験する以前にTOEFLが前提条件となる為、波及効果が非常に高い。

 TOEFLの導入は、実行本部が、安倍政権の大学入試改革の目玉に位置づける施策の一つ。英文読解を中心とした現在の高校の英語教育のスタイルを一変させる可能性もある。このため、教育現場に混乱を来さないよう平成30年度ごろからの導入を想定している。

TOEFLには、Speakingと言う出題形式があり、只単語を丸暗記するだけでは高得点が望めない。逆を言うと、高校生の時から、会話能力を高める必要があり、今までの「義務教育ではしゃべれない」と言う状況を確実に改善する事ができる。

 日本では英語能力試験としてTOEFLのほか、受験者が最も多い「実用英語技能検定(英検)」や、英語によるコミュニケーション能力を測る「TOEIC」などが実施されている。実行本部は、結果がそのまま海外留学の申請に転用できるTOEFLを採用することにした。

TOEICは、比較的難易度が低い為に、Academicな英語力を測るのには不向き。
英検は、非常に良く出来たテストだが、合否判定がある為、例えば準1級になかなか合格できない人は、学習量にもよるが、長期に渡り合格できない場合もある。モチベーションを保つのが大変。
TOEFLの場合は、120 points中、何点を取れるかを測定する為に、合否を問うものではない。従って、希望する大学の希望学科が求めるラインが90 pointsであったとして、自分のポイントが80 pointsであった場合に、80 pointsで合格できる大学と学部を受験する事も可能。更に、海外の大学で使用される教科書から抜粋した文章が出題されるので、留学する人には実践力を養うことができる。

TOEFLは、東京大学大学院の大半の研究科で入試の際に成績の提出を義務付けられている。また、政府は15日の産業競争力会議で、平成27年度から「キャリア」と呼ばれる国家公務員総合職の採用試験にTOEFLを導入する方針を打ち出している。

 実行本部では、英語で意思疎通できない日本人が多いことを問題視する議論が出ている。2月の会合では楽天の三木谷浩史社長兼会長が「英語ができないため日本企業が内向きになる」と述べ、大学入試へのTOEFL導入を提案していた。

高校時代から、TOEFLの教材を取り入れて学習をすれば良い訳で、大学受験のハードルが極端に高くなるわけではない。